マッチングアプリ開発について、何から取り組めばいいのか知りたいという人は多いのではないでしょうか。
この記事ではマッチングアプリ開発について、基本的な手順・費用・実装するべき機能・自社と外注の比較・制作会社の選び方を解説します。
目次
マッチングアプリ開発とは?
マッチングアプリとは、ユーザー同士を互いのデータに基づいて引き合わせる(マッチング)させるアプリのことで、恋愛や友人間のマッチングを目的とするものが想定されます。
まずはターゲットユーザーやマッチング方法を検討しましょう。
その後データベースを設計し、次にフロントエンドの開発です。
これはユーザーが実際に使用する画面から見える部分で、プロフィール登録・マッチング申請・チャット機能などです。
最後にバックエンドの開発を行います。
マッチングアプリの開発の主な手順
マッチングアプリの開発は一般的に、以下のような手順で進められます。
- 企画・仕様書作成
- システム設計
- 開発
- テスト・検証
- リリース
企画・仕様書作成
企画・仕様書作成は最初に行われ、以下のような内容を明確にします。
- アプリの目的・ビジネスの背景
- ターゲットユーザー・競合他社と差別化を図るポイント
- アプリで提供するサービス・機能
- 使用する技術・プラットフォーム
- 開発スケジュール・予算の目安
仕様書は企画書に基づいたアプリの機能や仕様を詳細に記述するもので、以下のような内容が含まれます。
- アプリのユーザーインタフェース(見え方・操作方法)の設計
- 各種機能の詳細な仕様
- データベースの設計
- API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)仕様書
- テスト仕様書
仕様書は、開発を進めるうえで不可欠である具体的な情報をまとめたもので、プログラマーやデザイナーなどの技術者が参考にする文書となります。
システム設計
システム設計は、仕様書で決められたアプリの機能や仕様を基に、どのようなシステム構成を採用するのかを決めることが目的となります。
具体的には、以下のような項目があります。
- アプリのアーキテクチャーの設計
- データベースの設計
- 各種機能を実現するためのアルゴリズムやプロセスの設計
- アプリのユーザーインタフェースの設計
- システムのセキュリティ対策や運用の設計
システム設計書は、プログラマーやデザイナーなどの開発者が参考にする重要な文書であり、技術的な方針を決めるためのものです。
マッチングアプリの仕様を決める際にも参考にされることがあります。
開発
最も時間がかかるのが開発で、実際にアプリのプログラムを作ります。
プログラマーが中心となって進めていきますが、デザイナー・品質管理を行うQAエンジニアなど、その他のスタッフも携わる部分もあります。
開発では、以下のような作業が行われるでしょう。
- プログラムの作成
- データベースの作成
- ユーザーインタフェースの作成
- APIの作成
- テストの作成
テスト・検証
テスト・検証は、アプリが仕様通りに動作するかを確認することが目的です。
以下のような手順でテストを行い、動作を検証していきます。
- ユニットテスト:各機能が個別に正常に動作するか
- 結合テスト:複数の機能を組み合わせたときに正常に動作するか
- システムテスト:アプリ全体が正常に動作するか
- マニュアルテスト:ユーザーと同じように手動で操作することで、アプリが仕様通りに動作するか
アプリのユーザーが期待する機能や性能を満たしているか、技術面・ソフト面でチェックする重要な作業となります。
リリース
リリースとは、一般のユーザーに提供するため準備することです。
リリースでは、以下のような作業があります。
- アプリの最終テスト:リリース前に、アプリが正常に動作するか最終確認
- マニュアルの更新や作成:ユーザー向けのマニュアルの作成・更新
- マーケティング活動の準備:アプリをリリースするにあたってのマーケティング活動の実施準備
- リリース後のサポートの準備:リリース後、ユーザーへのサポートを行うための準備
リリースのための点検・準備が完了すると、いよいよマッチングアプリを一般のユーザーに提供します。これで開発プロジェクトは完了です。
アプリ開発について詳しく知りたい方は、弊社にお問い合わせください。
マッチングアプリ開発で実装するべき機能6選
マッチングアプリに必要不可欠な機能・ユーザーに期待される機能とはどのようなものでしょうか。
以下、実装するべき機能6選を紹介します。
- 会員登録・データ管理機能
- 検索・並び替え機能
- メッセージ送受信機能
- 年齢認証機能
- プッシュ通知
- 課金・決済機能
会員登録・データ管理機能
会員登録・データ管理機能とは、会員の管理を行うための機能です。会員の新規登録・ログイン・プロフィールの編集・退会などが含まれます。
まず会員登録機能は、新しい会員がアプリに登録する際に、基本情報(メールアドレス・パスワード・名前・年齢など)を入力することで、アカウントを作成できます。
ログイン機能は、登録済みの会員が自分のアカウントにログインするための機能です。
プロフィール編集機能は、会員が自分のプロフィール情報を編集するための機能です。自己紹介文・画像・趣味・スキルなど、自分をアピールするための入力項目も競合他社と差別化する工夫するべきポイントでしょう。
退会機能は、会員がアプリから退会するための機能です。アカウントやプロフィール情報が削除され、アプリからログアウトされます。
これらの機能は、会員管理を行ううえで欠かせません。会員登録・ログイン・プロフィール編集・退会をスムーズに行えると、アプリ会員にとっての使いやすさが向上します。
検索・並び替え機能
検索・並び替え機能とは、会員が探している条件の相手を見つけるため、会員のプロフィール情報を検索したり、特定の条件で並び替えたりできる機能です。
検索は、会員がキーワード入力や年齢・趣味などの属性選択をすると、合致するプロフィール情報を絞れます。
並び替えは、年齢・趣味・居住地域などの特定の条件で会員のプロフィール情報の表示順を変える機能です。
会員が自分の探している相手を絞るため、さまざまな検索・並び替えの方法を用意することによって使いやすさが向上します。
メッセージ送受信機能
メッセージ送受信機能とは、会員同士がコミュニケーションを取るためにテキストや画像などをやり取りする機能です。
未読メッセージの管理・履歴の確認・ブロックリストの管理など、さまざまな機能を実装することで、会員同士が効率よく円滑に、安心してコミュニケーションを取れるでしょう。
年齢認証機能
年齢認証機能とは、会員の年齢を確認するための機能です。マッチングアプリは法的に定められた年齢に達していないと利用が禁止されている場合もあるため、実装されることがあります。
年齢認証機能では、会員が入力する生年月日から年齢を自動的に計算し、法的に問題ないか判断します。会員が自分の生年月日を登録するための入力フォームだけでなく、生年月日を確認するための認証手段が導入されることもあるでしょう。
年齢認証機能を実装することで、アプリ会員が安心して利用できます。アプリ運営側も法的な責任を果たせます。
プッシュ通知
プッシュ通知とは、アプリを利用しているデバイス(スマートフォン・タブレットなど)に、アプリから通知を送るための機能です。これを利用することで、会員にアプリからの重要な情報を知らせます。
アプリからの通知内容(新着メッセージなど)や、通知のタイミング(通知を送る時間帯など)の設定が可能です。また、プッシュ通知はデバイスによって異なる通知方法が選べます。例えば、スマートフォンでは、通知バーに通知が表示されるなどです。
プッシュ通知で新しいメッセージが届いたといった情報をすぐに伝えることで、会員はタイミングよく利用できます。
課金・決済機能
課金・決済機能とはアプリ内での課金や決済を行う機能で、会員がアプリ内で提供されるサービス・商品を購入できます。
さまざまな決済方法(クレジットカード決済・銀行振込など)を用意することで会員の利便性が上がるでしょう。
マッチングアプリ開発にかかる費用
マッチングアプリ開発のためには、開発費用・サーバー構築費用・サーバー構築に必要なハードウェア・ソフトウェア費用・テスト費用・アプリストアの登録料がかかります。さらに技術的な難しさ・機能・デザインの質によって費用が大きく変わってくるでしょう。
開発費用
アプリ開発に必要な人材や技術的資源によって費用が異なるため、開発費用を正確に見積もることは困難です。
ただ一般的に、開発費用はプログラマー・デザイナーなどの人件費を大きく占めることが多くなります。
また、ハードウェアやソフトウェアの費用も含まれます。
まずは人材と技術的資源がどれだけ必要か把握したうえで、プログラマー・デザイナーなどの技術者から見積もりを取るとよいでしょう。
サーバー構築費用
アプリ運用に必要なサーバーを構築するためにかかる費用です。
構築に必要なハードウェアやソフトウェアなどの技術的資源の費用・サーバーエンジニアやシステムエンジニアなどの人件費を含みます。
サーバーのスペック・数・構築する環境などによって費用が変わるため、サーバーエンジニア・システムエンジニアなどの技術者から見積もりを取りましょう。
テスト費用
アプリ開発のテスト作業にかかる費用です。
テストでは、アプリが正しく動作するか・機能するか・安全であるかなど検証しますが、テスター・QAエンジニアなどの人件費・ハードウェアやソフトウェアなどの費用がかかります。
テスト作業の種類・数・テストを行う人材などを考慮し、テスター・QAエンジニアなどに見積もりを算出してもらいましょう。
アプリストアの登録料
アプリをアプリストア(Apple App StoreやGoogle Play)に登録するために必要な費用です。
アプリストアの登録料は数百円から数千円程度となっています。
登録手続きの前に、アプリストアに確認することが望ましいでしょう。
アプリ開発費用のお見積もりを希望される際は、弊社にお問い合わせください。
マッチングアプリ開発は自社・外注どっちがいい?
マッチングアプリ開発は自社で行うか外注するか、それぞれにメリット・デメリットがあり、企業の状況やニーズによって異なります。
判断するためには以下のような観点が重要です。
- 予算の状況
- 開発スキルや知識を持った人材の状況
- アプリのビジネスモデルや戦略
- アプリ運用のスムーズさ
- リスクの軽減
自社開発の場合のメリット・デメリット
自社で開発するメリットは以下のようなものがあります。
- アプリのビジネスモデルや戦略を自由に決められる
- 自分たちのビジネスに合わせてアプリをカスタマイズできる
- アプリをよりスムーズに運用できる
デメリットとしては以下のような可能性があります。
- 専門的なスキルや知識を持った開発者を雇用する必要があり、人件費コストが高くなる
- 開発期間が長くなる
- 技術的リスクや市場リスクが高くなる
外注の場合のメリット・デメリット
開発を外注する際のメリットは以下のようなものがあります。
- 開発者を雇用する必要がなく、人件費を削減できる
- アプリ開発に特化した会社のため開発期間を短縮できる
- リスクを軽減できる
デメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- ビジネスモデルや戦略の自由度が低くなる
- カスタマイズすることが難しい
- スムーズに運用できない
マッチングアプリ開発の注意点
マッチングアプリ開発の注意点は以下の通りです。
- 目的の明確化: 実装する機能やデザインを決め、無駄な機能を省略することもできるため、開発コストを抑えられます。
- デザインの工夫: ユーザーがアプリを使いやすいことが重要です。デザインを工夫し、直感的で使いやすいものにすることが大切です。
- プライバシー保護の配慮・個人情報保護の法令遵守: 個人情報を取り扱う際には、個人情報保護法やその他の関連法令を遵守することが求められます。
- 事前のリリース計画: リリース日時・リリース前に行うテスト・マーケティング活動などを記載することでスムーズに進められます。
盛り込む機能は事前に明確にすること
アプリ開発前にどのような機能を実装するか明確にします。
具体的には、以下のような事例があります。
- ユーザーの登録・ログイン機能
- プロフィール作成機能
- マッチング機能
- チャット機能
- お気に入り登録機能
- 場所検索機能
外注するなら依頼先の開発実績や開発後のサポート体制をしっかり確認
外注する場合、依頼先の開発実績と開発後のサポート体制を確認することが選定の重要ポイントです。
またアプリのリリース後にバグや不具合が発生した場合、どのようにサポートするか確認すると開発後のトラブルを最小限に抑えられます。
マッチングアプリ制作会社の選び方
まずは会社のポートフォリオや実績を確認することが大切です。会社の規模やどのようなアプリを制作してきたかが分かるでしょう。
技術力やノウハウも重視しましょう。どのような技術を使っているか、どのようなアプリ開発プロセスを採用しているかを確認することで、アプリの品質や開発スピードを見極められます。
値段やサポート体制の比較も大切です。アプリ開発には大きな費用がかかるため、予算内であることが重要です。
アプリ開発後も修正やアップデートなどのサポートが必要になることもあるため、会社のサポート体制やその費用も把握しましょう。
マッチングアプリの開発を外注するなら…
外注先として、他の会社やフリーランスエンジニアに依頼することが考えられます。
業界内で有名な会社や個人としても実績があるエンジニアも候補になりますが、クラウドソーシングサイトやフリーランスマーケットプレイスを利用すると、より多くのエンジニアから見積もりをもらえるでしょう。
外注先の候補からより具体的で緻密な見積もりや提案をもらうためには、アプリに必要な機能やデザイン・期間と予算を明確にすることが重要です。
見積もりや提案を比較して外注先を選定し、契約を結びます。
開発期間中は進捗状況や問題点などを定期的に報告し合い、アプリの開発を進めていくことになるでしょう。リリースまでだけでなく、その後のフォロー体制も重要な判断ポイントです。
マッチングアプリ開発をご検討の際は、開発実績のある弊社に一度ご相談ください。