マッチングサイトを自社で運用して、ユーザーとの接点を作りたいと考えている企業は多いでしょう。
しかし、どのように構築したら良いのか、どのような知識が必要なのか分からない方も少なくありません。
そこで本記事では、マッチングサイトの構築に必要な知識についてご紹介します。構築における注意点や費用の相場も解説するので参考にしてください。
目次
マッチングサイトの構築に必要な知識とは?
構築するには、主に次のような知識が必要です。
- マッチングアルゴリズム
- データベース
- プログラミング
- ウェブデザイン
- セキュリティ
ユーザー同士がマッチングするためのアルゴリズムが必要です。具体的には、性別・年齢・趣味・仕事などのプロフィール情報などが挙げられます。
これらの情報から、似たようなユーザーとマッチングが可能となります。次にデータベースの知識です。
ユーザーのデータが大量となるため、それらのデータを管理する必要があります。管理するためには、データベースの知識が必要です。
例えば、MySQLやPostgreSQLなどが挙げられます。これらのデータベースを活用して、大量のユーザー情報を適切に管理します。
また、プログラミングの知識も必要不可欠といえるでしょう。
構築するには、PHP・Ruby・Javaなどのプログラミングを使えなければ、思い通りのサイトを構築できません。
また、構築だけでなく、将来的に機能を増やすためにもプログラミングの知識は欠かせないのです。
ウェブデザインの知識も必要です。インターフェースのデザインをするためにはHTML・CSS・JavaScriptの知識が必要です。
各言語の知識や操作方法などの知識が必要となるでしょう。最後に、セキュリティの知識も備える必要があります。
大量のユーザーの情報を扱うこととなるため、ユーザーの情報を適切に管理して守る必要があります。
この際に、セキュリティが甘ければ、外部からのハッキングや情報漏洩を防げません。
SSL暗号化やパスワードハッシュ化などを上手く活用して、ユーザー情報をまもりましょう。
マッチングサイトには4つの型がある
構築のために必要な知識をご紹介しましたが、サイト自体をより深く把握しておくことも大切です。
実は、マッチングサイトには4つの型があります。それぞれの特徴を把握して、どのようなタイプが適切かを判断しましょう。
ここでは、4種類のマッチングサイトをご紹介します。
プラットフォーム型
インターネット上で取引を行う場所を提供するタイプをプラットフォーム型といいます。
ユーザー同士が直接取引を行うことがメインであり、運営による仲介が入ることはほとんどありません。
ユーザーのプロフィールには、自己紹介・年齢・職業などを記載でき、写真や動画などのを自由に投稿できることもあります。
そのため、検索機能を付けてこれらの情報をもとにマッチングできるように設定することも多いです。
チャットやビデオチャットなどの機能も提供されていることもあるでしょう。
プラットフォーム型のメリットは、軌道に乗ったら安定的に売上と利益が見込める点と運営者の仲介が必要ないため利益率が高い点です。
一方で、参入が簡単なために競争が激しいことや、独自機能が多いため既存システムの流用が難しい点などデメリットに挙げられます。
ユーザー同士のやり取りが行われるため、より利便性の高さが必要な点も大きなポイントです。
プラットフォーム型の代表例としては、Amazonやメルカリなどが挙げられます。
仲介型
仲介型とは、ユーザー同士のやり取りだけでなく、運営が間に入って仲介するタイプです。
プラットフォーム型同様に、自分のプロフィールなどを記載でき、検索機能やフィルタリング機能で他のユーザーを探せるようになっていることが多いです。
運営が仲介することでコストがかかるため、基本的には高単価の商材が選ばれる傾向にあります。
仲介型のメリットは、サービスを開始するまでにかかる時間が短いことです。また、最低限の申し込みフォームさえあれば良いので、立ち上げコストが少ないこともメリットです。
しかし、運営の手厚いサポートが前提であり、仲介コストがかかるため運営の負担が大きいデメリットがあります。
代表的な仲介型は、マイナビエージェントや婚活サイトが挙げられます。
一括問い合わせ型
一括問い合わせ型とは、複数の企業やサービスプロバイダーに対して問い合わせを行い、一括で見積やサービスを比較できるタイプです。
自分が求めるサービスのカテゴリーなどを選択し、複数の企業などに問い合わせができます。
サービスプラン・料金・利用条件などを一括で問い合わせて比較できるため、運営による仲介コストは少ないです。
また、最低限の申し込みフォームさえあれば良いため、立ち上げにかかるコストが少ない点もメリットです。紹介する企業が0でも始めることは不可能ではありません。
しかし、運営のコストがかかるため高単価の商材になりやすい点はデメリットのひとつです。
また、SEOでの集客が難しく、リスティング広告やFacebook広告での募集を行う必要があります。
メジャーな市場にはすでに大手の企業が参入しています。そのため、ニッチな業界に絞る必要があるでしょう。
一括問い合わせ型の代表的なサービスとしては、アイミツや弁護士ドットコムなどが挙げられます。
メディア広告型
メディア広告型とは、サイトのアフィリエイト広告などを掲載することで、商品やサービスを紹介して購入や利用を促すタイプです。
商品やサービスの紹介ページを用意し、ユーザーが閲覧することで商品の比較検討を行い、購入や利用ができます。比較サイトと一緒に作られる傾向が多いです。
扱う商材はさまざまで、サイト内には検索機能・フィルタリング機能・カートシステム・支払方法選択などを提供していることが多いです。
メディア広告型のメリットは、仲介コストや運用コストがほとんどかからない点と、サービス開始までの時間が短い点が挙げられます。
一方で、SEOでの集客が必須である点と収益化まで時間がかかってしまう点が主なデメリットです。
メディア広告型の代表的なものとしては、価格.comやアフィリエイトサイトなどが挙げられます。
マッチングサイト構築にはWordPressが使える?
4つの型をご紹介しましたが、構築にあたってはさまざまなプラットフォームがあり、どれを選んで良いものか悩んでいる方も多いでしょう。
構築に使えるプラットフォームとして代表的なのが、WordPressです。
WordPressはオープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)で、webサイトの制作や管理に使われるケースが多いです。
カスタマイズされたwebサイト構築において、必要な全ての機能を備えているので、構築するにも最適なツールといえるでしょう。
さまざまな機能が求められることがありますが、WordPressにもさまざまなプラグインがあります。
また、WordPressを用いて構築することでのメリットも大きいです。主なメリットとしては、簡単に構築できる点と管理が簡単になる点です。
先述したように、WordPressにはさまざまなプラグインが用意されています。そのため、それらを使用することで、十分な機能を簡単にカスタマイズ可能です。
さらに、サイトの管理も簡単になります。コンテンツの編集・追加・サイトの構造の管理などを行うインターフェースが用意されているので、初心者でも簡単に管理できます。
WordPressならではの大きなメリットであるため、構築のための専門的なスキルがなくても、ある程度のものを制作できるでしょう。
WordPressを使用して構築された代表例としては、OKCupidやeHarmonyなどが挙げられます。
プラットフォーム型マッチングサイト構築の方法
構築には、WordPressが使えることをご紹介しましたが、他にも構築する方法はあります。
中でもプラットフォーム型を構築するには、どのような方法があるのでしょうか。
構築方法もさまざまあり、それぞれメリットや特徴があるため、しっかりと把握しておくことが非常に重要です。
ここでは、プラットフォーム型の構築の方法についてご紹介します。
受託開発
プラットフォーム型を構築する方法として、受託開発があります。受託開発とは、他社に開発業務を委託する方法です。
そのため、受託開発を行ってくれる企業を選ぶ際に、どれくらいのコストがかかるのかやどのようなスキルを持っているのかを比較して選ぶことが大切です。
また、受託開発には他の方法と比較して大きなメリットがあります。それが、自社独自の機能にも柔軟に対応できる点です。
特に規模が大きくなり、長期の運用を行うようになってくると、独自の機能を備えたいなどの希望が出始めます。
その際でも、受託開発であれば柔軟に対応でき、定期的なアップデートなどにも対応してくれます。
初期はパッケージ開発などで行っていて、途中から受託開発に切り替える企業もいるほどです。
一方で、コスト面で大きなデメリットがある点も特徴です。小規模でも最低300万円程度コストがかかることは珍しくありません。
継続的なアップデートを行うのであれば、さらにコストはかかってしまうでしょう。オリジナル性を高めることとコストの両方を比べて選ぶ必要があります。
パッケージ開発
パッケージ開発とは、既存のプログラムやツールを提供する会社からライセンスを購入して開発を行う方法です。
既存のプログラムやツールをパッケージと呼び、標準的な機能があらかじめ備わっています。
ある程度の機能が備わっているため、受託開発よりも低コストで開発できる点が魅力です。
しかし、定められた標準機能の中では、仕様やデザインを大きく変えることが難しい点がデメリットとして挙げられます。
ある程度の機能は備わっていますが、仕様は固定されており、細かい部分で求めている機能とは異なる可能性があるかもしれません。
また、標準のデザインも古い場合があり、ユーザーからクオリティが低いと感じられる要因になる可能性があるため注意が必要です。
最初は標準仕様と機能で十分と考える方は、パッケージの方がコストを抑えられて開発に取り組めるでしょう。
しかし、すぐにアップデートや最初から細部にまでこだわった機能を備えたいと考える場合には、パッケージ開発をすべきか検討が必要です。
Saas開発
Saas開発とは、クラウド上で提供されるサービスを利用して開発する方法です。受託開発よりも低コストで、パッケージ開発よりも柔軟性の高い点が魅力に挙げられます。
仕様やデザインの変更などにはコストがかかりますが、Saas開発の場合には、無償あるいは低価格で実現可能です。
定期的なアップデートなどにも、コストを抑えられるため開発初心者には易しいでしょう。
しかし、柔軟性は受託開発の方が高いです。他社にはないサービスや機能を備えたいと考えているのであれば、Saas開発では難しい場合もあるでしょう。
このように、それぞれの開発方法の特徴を把握した上で、どの方法が最もメリットが大きく向いているかを考えることが大切です。
マッチングサイト構築には外注先選定が重要
構築方法として受託開発をご紹介しましたが、外注して構築を考えているのであれば外注先の選定も大切です。
外注先を選ぶ上では、まず自社の要件を明確にしましょう。そして、それにマッチする外注先を選ぶことが重要です。
例えば、企業によっては予算が限られている場合もあるでしょう。その場合、値段が安い外注先で探すことが望ましいです。
しかし、もちろん開発スキルについても無視はできません。コスト・開発スキル・技術力を合わせて、どの部分を重視するかを考えながら外注先を選びましょう。
また、外注先のコミュニケーション能力やマネジメント能力にも注目するようにしましょう。
構築だけでなく、プロジェクトを順調に進めるためには、外注先との信頼関係を築くことが大変重要です。
コミュニケーション能力やマネジメント能力が高い外注先であれば、これらの面でも不安なくプロジェクトを進められるでしょう。
マッチングサイト構築の外注先選定のポイント
構築のために、外注先の選定が重要だとご紹介しました。それではどのようなポイントに注目して外注先を選定していけば良いのでしょうか。
注目すべきポイントがより具体的に分かった方が、スムーズに外注先を選べるでしょう。ここでは、構築の外注先選定のポイントをご紹介します。
マッチングサイト構築の経験の有無
外注先選定のポイントとして、構築の経験の有無に注目しましょう。
過去にどのようなものを構築したのかを確認し、どのような品質かに注目します。
構築するには、webサイトの構築やデータベースの管理など、さまざまな技術が必要です。
これらのスキルを持っているのであれば、自社の求める品質を下げることなく構築できる可能性がさらに高まるでしょう。
また、過去に構築経験があれば、構築におけるよくあるトラブルなどをあらかじめ防げます。万が一トラブルが発生してもスムーズに解決してくれます。
トラブルの発生は、プロジェクトの計画などにも関わるため、構築の経験の有無は非常に重要なポイントです。
エンジニアの開発経験を確認する
エンジニアの開発経験を確認することも大切なポイントです。過去にどのようなシステムやアプリケーションを開発してきたかを確認するのです。
過去にさまざまなアプリケーションなどの開発経験が豊富であれば、それだけ開発もスムーズに進むといえるでしょう。
また、自社の求めるシステムなどもしっかりと実現してくれる可能性が高まります。マッチングサイトには、主に次のようなスキルが必要です。
- webサイトの開発
- アプリケーションの開発
- データベースの管理
- サーバーの運用
開発経験豊富なエンジニアであれば、これらのスキルもきちんと備えている可能性があるため、よりスムーズに構築してくれるでしょう。
営業担当者の理解度
外注先選定のポイントと聞くと、技術面ばかりに意識がいきがちですが、営業担当者の理解度も注目すべきポイントです。
これは、システムやアプリケーションを開発において、どの程度ニーズに合ったものが作れるかに大きくかかわるためです。
営業担当者がニーズや要望を正しく正確に理解できていれば、より正確に要望通りの機能をもったサイトを構築できます。
開発途中段階でも、細かな要望を伝えて実現してもらうこともできるでしょう。しかし、営業担当者の理解度が乏しければ、スムーズに開発が進まない可能性があります。
さらに、トラブルの防止や、万が一トラブルが起きた際のスムーズな解決にもつながります。
このように、営業担当者の理解度が、その後の開発を左右する要素にもなるため非常に重要なのです。
自社に合った外注先を見つけたい場合は、弊社のシミュレーターをご利用ください。開発スキルの有無や営業担当者の理解度など、重視したいポイントを押さえて選べます。
マッチングサイト構築の費用見積をするなら
構築には、さまざまな方法があります。しかし、構築する方法を選ぶためには、それぞれのメリットや特徴を把握することが大切です。
また、自社の予算・コスト・求める機能なども詳細に決めて検討も必要です。そのためにも、次のような項目を考慮して費用見積をしましょう。
- サイトの構成や機能を決める
- 外注先を選定する
- 必要なリソースを決める
- メンテナンスやアップデート費用を含める
- マーケティング費用を含める
構築するにあたって、どのような機能が必要かを考え、開発に必要な工数やリソースを把握しましょう。
次に外注先によって、開発費用が異なるため、費用を比較しながら外注先を選定します。また、サーバー・ドメイン・SSL証明書などの必要なリソースも考慮する必要があります。
メンテナンスやアップデート費用を含めることも忘れてはいけません。開発段階だけでなく、継続的にかかる費用も含めて考えましょう。
最後にマーケティング費用を含めることも大切です。サイトを広く知ってもらうためには、マーケティングが必要となるケースもあります。
このような項目を考えて、費用見積を行いましょう。より具体的に見積できた方が、途中で滞る可能性も少なくできるでしょう。
しかし、外注先の選定や開発費用の見積など、全てを自社で判断することは難しいです。
もし構築でお悩みの際は、弊社のシミュレーターをご利用ください構築方法の選定や、費用見積についての課題を解決します。
マッチングサイトの構築は信頼できる外注先を選定しよう
構築は、WordPressなどで行えます。そのため、自社で行うことは不可能ではありません。
しかし、自社で全てを行うとなると、費用がかかるだけでなく通常業務との兼ね合いもあるため非常に大変です。
そこでおすすめが外注への委託です。しかし、外注へ委託するのであれば、スキルがあって自社にもマッチする外注先である必要があります。
また費用の見積についても、しっかりと検討しなければ思わぬコストが発生する可能性もあるでしょう。
外注先の選定や費用見積でお悩みの際には、弊社のシミュレーターをご利用ください。
求める条件を満たせ、よりスムーズな開発ができる外注先を見つけられます。